片面段ボールシート&パットとは?特徴と用途を解説
片面段ボールの基本構造
片面段ボールは、平らなライナーと波状の中芯を貼り合わせた資材です。
両面段ボールに比べると軽量で柔軟性があり、用途によってはコストを抑えつつ十分な緩衝性を発揮します。
その形態は大きく分けて「巻きダンボール(巻き段ボール)」「シート」「パット」の3種類があります。
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巻きダン:片面段ボールをロール状に巻いた形態
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シート:コルゲーターから直接出せる片面段ボール
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パット:小サイズにカットした片面段ボール
この記事では、シートとパット に焦点を当てて解説します。
シートとパットの違い
シートとパットは、どちらも片面段ボールを一枚物で扱いやすくした形態ですが、生産方法やサイズの違いによって区別されています。
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シート:コルゲーター(貼合機)から直接出せるサイズの片面段ボール。大判形態のため、緩衝材やパレット等の敷紙などに利用されています。
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パット:コルゲーター上では作れない小さいサイズの片面段ボール。瓶・雑貨・化粧品・菓子の保護材、金属製品やプラスチック製品の輸送時の緩衝材、りんご等の青果物の緩衝材として利用されます。
👉 シナノ紙工内では、「シート=大判一枚物」「パット=小さいサイズ」 という整理をしています。
シート&パットの段種と段高
シナノ紙工では、工場ごとに以下の段種をシート・パットとして提供可能です。
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A段(約4.5〜5mm):厚みと緩衝性が高く、大型製品や重量物の養生、りんご等の果樹関係の緩衝材に適する。
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B段(約2.5〜3mm):強度と柔軟性のバランスが良く、物流や一般包装に広く使われる。
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五号段(約2.0〜2.5mm):巻き段からパットに加工可能で、一般流通で幅広く利用される。
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E段(約1.2〜1.5mm):薄く軽量で、美粧性が求められる包装や片段合紙用途に多い。
👉 巻きダンボールとしての五号段については、「巻きダンボールとは?」の記事で詳しく解説しています。
製造体制と原紙の対応
シナノ紙工では、工場ごとに対応できる段種や原紙が異なります。
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長野工場
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A段・E段:段ボール原紙限定
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B段:クラフト紙/段ボール原紙どちらも対応可能
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横浜工場
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B段・E段:段ボール原紙対応
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五号段:クラフト紙などの薄物原紙に対応
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この体制により、用途や必要性能に応じて柔軟な提案が可能です。
シート&パットのメリット
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すぐに利用できる:必要なサイズにカットしてあるため、現場ですぐに使える。
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加工性が高い:打ち抜きや片段合紙など、さまざまな加工が可能。
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コストを抑えやすい:大判シートはまとめて製造できるため、用途によっては経済的。
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軽量で扱いやすい:輸送・現場作業の負担を減らす。
シート&パットのデメリットと注意点
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湿気に弱い:紙素材のため、水や湿度の影響を受けやすい。
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強度に限界がある:両面段ボールほどの耐圧性はない。
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小ロットは困難な場合がある:原紙幅を使って製造するため、巻き段と同様に300m以上を目安にしています。
例:小ロットが難しい理由
クラフト50gの規格品(1200幅×50m)を300m分、150㎜×150㎜のパットにした場合、約13,300枚程度が一度の製造で仕上がります。
このため、極端に小さい数量での発注は対応が難しいのです。
片面段ボールシート&パットの主な活用事例
パットの用途
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瓶・雑貨・化粧品・菓子の保護材
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金属製品やプラスチック製品の輸送時の緩衝材
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りんご等の青果物の緩衝材
シートの用途
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パレットの敷紙
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大型製品や建材の養生シート
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美粧段ボールや什器・ディスプレイ用の片段合紙シート
シナノ紙工の強み
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工場別の対応力:長野と横浜に生産拠点を持ち、複数段種に対応。
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原紙の多彩さ:クラフト紙、段ボール原紙など複数種を取り扱い、用途に合わせた最適提案が可能。
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エコ対応:クラフト紙も段ボール原紙も古紙回収可能で、リサイクル性が高い。
よくある質問(FAQ)
Q1. シートとパットの違いは?
→ シートは大判の一枚物、パットは小さいサイズの片面段ボールです。
Q2. パットの最小ロットはどれくらいから対応可能ですか?
→ 原紙幅を用いるため、取り都合は変わりますが、基本的に300m以上が目安です。小ロットは困難な場合があります。
Q3. リサイクルできますか?
→ はい。クラフト紙も段ボール原紙も、古紙回収が可能です。
Q4. 巻きダン(巻き段)との違いは?
→ 巻きダンは片面段ボールをロール状にしたものです。形状が違うだけで、素材は同じです。
👉 詳しくは「巻きダンボールとは?」の記事をご覧ください。
関連する片面段ボール製品
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巻きダンボール(ロール状、大型製品向け)
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シート(一枚物、片段合紙・什器用途)
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パット(小サイズ、多品種小ロット対応)
👉 巻き段の記事はこちらをご覧ください
まとめ
片面段ボールの「シート」と「パット」は、それぞれの要望に対して使い分けられる便利な資材です。
シナノ紙工では、工場ごとの製造体制と多様な原紙を活かし、柔軟なサイズ対応・加工・配送でお客様のニーズに応えています。
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